歯科口腔外科とは
主に口腔内の外科処置を行うのが歯科口腔外科です。
歯ぐきの奥深くに埋まっている親知らずの抜歯や、歯・唇・顎のケガ、顎関節症、歯の周辺組織の炎症、舌の異常、口腔がんなどの診断と治療を行います。
出血を伴う手術が多いため、全身疾患をお持ちの患者様には、内科的な知識も持ち合わせた歯科医師が担当し、服用中のお薬や体調にも配慮しながら治療を進めます。
初めての患者様へのお願い
初回の患者様は、診療時間内(月2回の歯科口腔外科の診療日を除く)でご都合のよいときにご予約ください。
口腔内の状況を確認し、必要に応じてレントゲン写真撮影等の資料集め、患部消炎処置、口腔内写真撮影、歯石除去等を行います。
お帰りの際に、歯科口腔外科の診療日で次回のご予約をお願いいたします。
当院の歯科口腔外科
歯科口腔外科を熟知した歯科医師による治療
当院では土曜日の午前中(月2回)に歯科口腔外科の経験豊富な歯科医師による診療を行っています。多岐にわたる症例の診断・治療の経験を活かして、全身疾患を伴う症例や一般の歯科医院では難しい親知らずの抜歯なども行います。気になる症状やお口のお悩みがある方は、まずはご都合のよい時にご予約ください。症状などを確認させていただいた上で適切な処置を進めます。
また高水準の治療をご提供するだけではなく、患者様の意見やお気持ちを尊重するよう心がけておりますので、ご不安なことなどがありましたらどのようなことでもお聞かせください。
当院の対応疾患
- ■難抜歯
・親知らずの抜歯(水平埋伏智歯抜歯)
・残根(歯冠が崩壊したもの)
・正中埋伏歯、過剰歯等 - ■顎関節症
■歯根端切除術
■のう胞摘出
■口腔がん検診 - ■外傷歯
口腔がん検診の重要性
初期の口腔がんは自覚症状がほとんどなく、初期症状は口内炎や歯周病に似ているため、気付かないうちに病状が進行することの多いがんです。そのため国内の罹患数・死亡数はともに増えているのが現状です。定期的な口腔がん検診で早期発見・早期治療につなげましょう。
周りの歯に影響を与える親知らずの抜歯
親知らずは永久歯の中で一番奥に遅れて生えてくる、上下左右4本の歯のことです。ただし、生まれつきない方もいれば、4本のうち数本だけが生えてくる方もいらっしゃいます。斜めや横向きに生えてくると、歯のすき間に炎症が起こりやすく、前の歯が押されて歯並びに影響を与えたることもあります。
歯科口腔外科での治療経験が豊富な医師が担当しますので、難症例の抜歯もおまかせください。
親知らずの抜歯
親知らずは横向きや斜めに生えてくることが多く、むし歯や歯ぐきの炎症、歯並びやかみ合わせのトラブルなどの原因になりやすい歯です。
当院では精密な検査・診断を行った上で、抜歯を視野に入れた治療計画をご提案いたします。横向きや斜めに生えている親知らずや、歯ぐきや骨の下に埋もれている親知らずのほか、歯冠が崩壊した「残根」など難症例の抜歯もおまかせください。
親知らずの抜歯で
周りの歯を守る
健康な状態の親知らずは抜く必要はありませんが、早く抜いた方がよい親知らずもあります。斜めや横向きに生えている場合は、歯にすき間ができて炎症を引き起こし、強い痛みや膿が出る場合もあるので抜歯を検討します。
埋没している親知らずの場合も、時間が経つと歯と骨が癒着してしまうこともあるため、早めに抜歯することで身体への負担を減らし、トラブルを回避することができます。
重症化すると口が開かなくなることもありますので、早めの受診をおすすめいたします。
親知らず抜歯の流れ
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1初回相談
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2精密検査
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3診断結果・治療のご説明
歯根端切除術
根管治療を行っても治らない場合に、歯の根の先を外科的に切除して、感染した部分を取り除く治療です。
むし歯が進行した場合は、まずは歯の根っこの中をきれいにする根管治療を行います。しかし、根管治療を行っても治らない場合は、歯根端切除術を行うことで抜歯を避けて、ご自身の歯を残せる可能性があります。
拡大鏡を使った精密な治療
歯の根の先は極めて細く、高度な技術が求められます。肉眼で見るのは難しいため、当院では歯の根などの小さな患部もしっかりと捉えられるよう、患部を拡大できる「拡大鏡」を使用しています。
歯の根の状態をしっかりと目で確認しながら処置できるので、患部の取り残しをできる限り減らし、精密で的確な治療を提供します。
口腔がん検診
口腔がんとは、お口の中の「歯」以外の部分、つまり舌や舌の裏、歯ぐき、上あご、頬の粘膜などにできるがんのことです。お口の中の痛みや腫れ、口内炎がなかなか治らない、出血などの症状がある場合はお早めにご相談ください。
当院では視診・触診、必要であればCTによる検査も行います。他のがんと同じように、早期治療が何よりも大切です。早期発見のために年に1度は検診を受けて、健康管理にお役立てください。
気付きにくい口腔がんを
防ぐために
口腔がんは、40歳を過ぎると男女ともに口腔がんの患者数が増加し、年齢が上がるにつれて発生率・死亡率も上昇する傾向があります。口腔がんは初期の自覚症状が乏しく、受診をするのが遅れてしまう人も少なくありません。特に喫煙や飲酒習慣のある人は注意が必要です。
がんは進行すると舌や顎、頬などを切除する必要があるため、日常生活に大きな影響を及ぼします。しかし、早期発見ができれば大切な舌や顎の切除を避けることができます。
正中埋伏歯、
過剰歯などの抜歯
通常、生えてくる歯の数は永久歯が32本、乳歯は20本ですが、それ以上に生えてくる余分な歯が「過剰歯」です。中でも前歯のあたりの歯ぐきに埋まっている過剰歯を「正中埋伏(過剰)歯」といいます。
埋伏している歯は、そのままの状態にしておく場合もありますが、かみ合わせや周囲の歯にも影響を与える可能性がある場合は抜歯するのが一般的です。
顎関節症
顎の関節が痛い、口を開閉すると顎の関節が鳴る、口を大きく開けにくいといった症状がある場合は顎関節症の可能性があります。症状が軽い場合は経過観察ですむこともありますが、症状が進行すると顎の関節が変形し、外科手術が必要となることもあります。また、顎だけでなく顔全体の痛みや頭痛などを引き起こす場合もあるため、違和感がある場合は、まずはご相談ください。
当院では診察・診断を行い、マウスピース治療、開口訓練、円板整位運動療法などから、患者様に適した治療をご提案いたします。
顎関節症の原因
顎関節症の原因は、歯ぎしり・食いしばりや生活習慣、ストレス、外傷などにあるといわれていますが、原因ははっきりとわかっていません。
顎関節症は顎だけでなく、顔全体の痛みや頭痛などを引き起こすことも多く、ほかの病気が潜んでいる可能性もあるので注意が必要です。また、かみ合わせのバランスの悪さが顎関節症の原因である場合は、頭痛・めまい・肩こり・耳鳴り・腰痛などを伴うこともあり、全身に影響を及ぼします。
顎関節症の治療の流れ
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1初回相談
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2精密検査
舌・粘膜の病気
舌や粘膜などのトラブルは、お口の中に原因がある場合もあれば、全身疾患・皮膚疾患の部分症状である場合もあります。
そのためほかの医療機関と連携しながら、適切な治療法をご提案いたします。
口腔がん
舌がんや、舌と歯ぐきの間にできる口腔底がん、上あごにできる硬口蓋がんなど、お口の中にできるがんをまとめて「口腔がん」といいます。口腔がんの中でも舌がんは頻度が高く、初期の症状としては食べ物がしみる、口腔内の痛みなどが挙げられます。
口腔乾燥症
「ドライマウス」とも呼ばれ、口が乾く自覚症状全般を指します。薬の副作用によって起こることもあり、放っておくと唾液の分泌が足りないため、むし歯や歯周病の原因になったり、味覚の変化、口臭、舌のひび割れといった症状がみられます。治療は口腔保湿剤の使用や、唾液腺マッサージで唾液の分泌を促します。
口腔ガンジダ症
常在菌であるカンジダ菌によって発症し、白い苔のようなものが舌に付着する、口の中がヒリヒリするといった症状が見られます。白い苔は比較的容易に拭い取ることができますが、慢性の場合は治療が長期にわたることもあります。
舌痛症
舌がヒリヒリとした痛みを感じる病気です。外傷、ウイルス感染などが原因の場合は、軟膏の塗布や抗生物質の服用によって治療をします。また、日常生活のストレスなど精神的な原因で発症した場合は、精神科・心療内科などでの認知行動療法や抗うつ薬の服用で、痛みの軽減をめざします。
のう胞
顎の骨の中などに、のう胞という袋状のものができる病気です。顎の骨の中に発生する場合は、顎が腫れるといった症状がみられます。また、舌や下唇などの軟組織に発生するものがあり、口内炎や水ぶくれとして見過ごされる場合もあります。小さなのう胞は通院による治療が可能ですが、大きなものは入院して全身麻酔によって手術を行う場合もあります。
連携医療機関のご紹介
当院では充実した連携体制を整えております。
受診・検査の結果、神経が近い部分の処置や病巣が大きいものに関しては、安全面を考慮して下記の連携医療機関をすみやかにご紹介いたします。
ご希望があれば、慶應義塾大学病院 歯科・口腔外科、東京慈恵会医科大学附属病院 歯科口腔外科、東京医科歯科大学病院 口腔外科へのご紹介も可能です。